石川弘樹からのメッセージ


山や森、自然のフィールドを走るトレイルランニング。
その魅力、楽しみ方は人それぞれにあります。
トレイルランナーの多くが一本のトレイルを求め遠くまで足を運ぶのは、フィールドごとにある自然の美しさや気持ち良さにひきつけられるからではないかと思います。私が多くの移動時間や費用等を費やしても国内外、たくさんのトレイルへ出かけるのにはそのような理由があります。

トレイルランナー「石川弘樹」

数年前、ハイキングガイドブックで九州エリアから走るトレイルを探していた際、「ここは日本か」と思わせるフィールドの写真が目に飛び込んできました。それが平尾台でした。

東京から飛行機に乗り、電車、タクシーを乗り継ぎ平尾台に到着すると、そこには想像を超えた美しい眺望と走りたくなる見事なトレイルが無数に広がっており、このフィールドに出会えた嬉しさが込み上げてきました。

実際に走ったトレイルは想像していた以上で、海原を遠方に望み、他ではあまり見ることのできない特長あるカルスト台地の風景、起伏の中を完璧ともいえるシングルトラックが無数に通りぬけ、二つと同じ形のないピナクル(石灰岩の石柱)の間を走り抜ける気持ち良さ、面白さに今まで経験したことがない感動を覚えました。
私はすぐにこの平尾台のファンとなりました。

大会開催地、平尾台のロケーション

2010年、こうして私が出会った平尾台がフィールドの中心とされ、九州最長となる40kmのトレイルランニングレースが開催されることとなりました。多くの自然、ランニング愛好家の方々にお集まりいただき、このフィールドの迫力と美しさを感じ、40kmという道のりの様々な魅力に触れてもらいたいと思います。

そして、一人のトレイル利用者としてのマナーやルールは守りつつ、日ごろの成果を発揮し、熱い走りと精神、肉体的限界に挑戦したレースを行なってもらいたいと思います。ロングコース40kmは、ロードマラソンの40kmとは多くの点で異なります。路面は多彩に変化し、街中に存在しない起伏がいたるところにあります。

他にもマラソンとは違った条件が自然の中を走るトレイルランニングにはたくさん出てきます。そうしたことがトレイルランニングの魅力でもあります。全てを受け入れ、決して最後まで気を緩めることなくフィールドを楽しみつつも、あらゆる挑戦をしてみてください。

この平尾台というエリアは国定公園に指定されており、今回のレースはそのなかでの開催となります。公園、地域内の住民、自然・環境に携わる専門家、地元ランニングクラブ、北九州市役所のこの平尾台に対する深い想いと強い協力のもと、慎重にレースの運営をしてまいります。

本州を中心に国内のトレイルレースが多様な形で増え続けている中で、自然の「保全と利用」の観点からトレイルレースの理想とあるべき運営方針・形式をこのレースを通じてメッセージを発信してまいります。厳格な人数制限とコースレイアウト、自然と環境の専門家によるレースコースの検証を行い、貴重である自然と人とスポーツの「共生」を大切にし、国定公園を利用した持続可能なイベントを目指していきます。

トレイルランナー 石川弘樹からのメッセージ